私の本棚 第五十三》  平成13年8月    

    「十五少年漂流記」   ジュール・ベルヌ   

 今は子供たちの夏休み真っ盛り。子供の遊びが変わったとはいえ、炎天下でせみ捕りに夢中の子や、スケートボード、曲乗り用自転車を一生懸命練習している子供達も見かけます。その元気さに、時にはうらやましく思ったり、妙に安心したりする事もあります。
 ジュール・ベルヌは空想科学小説をたくさん書きました。子供の頃から冒険好きでしたが、ある時親に叱られてから 「頭の中だけで冒険をします」 と約束したようです。その結果、沢山の空想冒険小説が残っています。この本も、子供達の夏休みの読書に最適な一冊だと思います。
 十五人の多国籍小中学生が船で漂流し、無人島で助け合って集団生活をおくります。出てくる自然環境や動物は少し変なところもありますが、それは大人の濁った目で読むからでしょう。子供達にはもっと素直に、自分と同年代の少年が色々な困難を乗り越えて、数年の間に成長して行く過程を共有してもらいたいと思います。茶髪のスケボー集団に (通行の邪魔をして) すみませんと謝られたことがあります。   思わずこちらも 「こんちは―」。 
カンナ






  炎天下のカンナ
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