琵琶湖一周 早駆け!・・・・・・のつもりが  58歳       2006/9/24(日) 

5月の連休に秋田へ向けて走った後、6回位しか自転車に乗っていない。仕事があったり、用事があったり、天気が悪かったり、その気にならなかったりでまあ結局は暑さの厳しい最中は怠けていたということです。ところが予定をチェックしていると、10月一杯と11月前半の土日はほぼ予定が詰まっている。何とか走り溜めをしたいと考えて琵琶湖一周をする事にした。
イメージでは、勝手知った道だしリラックスをして早駆けをしてみようと何の準備もせず、またいつも通り寝過ごして出発。

近江大橋袂の矢橋帰帆島に駐車。途中で購入したコンビニ弁当で朝食を済ませる。走り始めると調子が良いのか軽い。琵琶湖を左に見て、湖岸のさざなみ街道を快調に走る。天気良し、気候良しの申し分ないサイクリング日和。思い思いのスタイルで多くの人がサイクリングを楽しんでいる。琵琶湖大橋手前の烏丸半島にある風車が勢いよく回っていた。この場所には琵琶湖博物館があって、自宅から程よい距離と比較的安価に時間を過ごせるのとで、妻とたまに来る。あの風を背に受けて30数Km/Hで走っている。この調子なら今日は7時間のペースかな。
 

左 博物館とは別の植物園の
   電気に利用している

右 琵琶湖大橋と観覧車 
近江八幡市の長命寺に近づくと、前方に、大きな鞄を付けた上リュックを背負った男性がマウンテンバイクで走っている。日曜日にあの荷物を持って走っているということは大学生だな。ヘアースタイルも真っ黒に日焼けした足もそんな雰囲気を漂わせていた。歩道を走る彼を追い越して長命寺から左折して山道へ入る。湖岸道路はここの山道を迂回してしまうと平坦な道ばかりになる。ここまではアベレージが27.8Km/Hだ。う ん、これならいい。沖島へ渡る一団が船に乗り込んでいる。島は400〜500人くらいの人口があると聞いた記憶がある。この場所から琵琶湖を見ると、その静かさと水の透明感から、相当北に来たような感じになる。 

しかし左の写真でも分かるように、僅かしか走っていない。気持の上でチョット疲れる地点だ。下り坂になり信号待ちをしていると、先ほどの男性が前を走っていく。山裾を迂回してきたようだ。今日は気持もゆったりしているので、少し話をしたくなった。自分も歩道に入り込んで追いつく。「何処からどこへ?」と自分も何度か聞かれた言葉を彼に向ける。「青森までいきます。」「青森!良いですねえ、誰かお知り合いでもおられるんですか?」 ぱっと見た感じでは学生でもなければサラリーマンでもない。若くもなければ老けてもいない。「がくせい.......さん......ですか?」「いえいえもう50歳です」「あっ!そうですか。ではお仕事は......?。」「もう辞めました。」

 
ウーン、世の中には随分うらやましい人がいるもんだ。50歳で仕事を辞めて愛媛県の宇和島から青森まで20日近くをかけて旅行すると言う。自分勝手にいろいろと相手のことを想像しながらさらに話していると、「電器屋をしていたんですが、それを息子に任せてリタイアしたんです。家内も亡くなりましてね。」人生辛いことがあるよね。歩道も広いし(歩道といっても、耕耘機も走れるくらい広く往来も殆ど無い)、並んで走りながらとりとめのない世間話をする。唐突に「ギターを弾く趣味もあります」「ギターといってもクラッシックとかいろいろありますが、どんなギターですか?」「バンジョーです。実は電器屋の前に仕事で弾いていたんですが、アルバイトの電器屋が忙しくなってしまって」「へええ、人生は分からないものですね。先ほど将来リヤカー(専用の格好いいもの)を引いてオーストラリアを回りたいとおっしゃっていましたが、バンジョーが弾けるならアメリカのルート66も良いんじゃないですか。」アメリカにしろオーストラリアにしろ楽器ができる人はいい。直ぐに友達ができそうな気がする。話を続けていると、電器屋さんとは電気家さんの方で、バンジョーは有名歌手のバックだったと分かった。後日思い出したが、この男性の家の近く(海の向こう)に南こうせつさんがお住まいだが、この歌手の親戚の方と一緒に仕事をしたことがある。何かと話ながら走っていると、いつの間にか20Km近く同行してしまった。こんなことは初めてだ。まず並んで走れるところが無い。時速12〜13Kmで併走することも無い。まして、短いとはいっても180Km走るのに気持が急がない事が不思議だった。 
色々な偶然が重なって短い距離だが道連れになった。何かしらもっと話していたい気持だが時間的にそうもいかない。「写真を撮らせて下さい。それを私のホーム頁に掲載してもいいですか?」「わたくしのような者(自転車に関して)を?」これほど長時間併走したことがないので、何かの縁と思いますからと言って写真を撮らせて頂き、住所も教えてもらった。(しかし、残念ながら教えてもらった住所を転記間違えしたのか連絡が取れなくなってしまった。) 気をつけてと言うより、楽しんで行って下さい。そう別れの挨拶をして先にスタートした。
彼は今日は長浜か木之本辺りで宿泊の予定らしい。いいなあ、あんな旅行ができるなんて。しかし今日のように併走する出会いは今後滅多に無いだろうな。
さて、少しピッチを上げて先を急ごうと思ったものの向かい風に変わってきた。


長浜城前の交差点で信号待ちの間に写真を撮る。この城も「利家とまつ」や「功名ヶ辻」で一層有名になったろう。腹が減ってきたので何か食べるところはないかと探していると、新しくできた道の駅が目に入った。食堂に入って座ると、横の二人連れの若い男性サイクリストが食事を終えるところだった。鴨肉のかけらも入っていない「水鳥定食」を食べて出発。木之本からは左折するが、見慣れないトンネルがある。前回来た時は工事中だったから完成したようだ。よく見ると右手坂を上る旧道がある。あっという間に飯浦港へ出てしまった。
 

 飯浦港 

右 竹生島(中央、岬の突端)
 


 湖岸沿いに走るとウインドサーフィンをしている。
T字路へでた。左は敦賀、右は大津と標識が出ている。何かしら違和感を感じる。どう考えても左へ行くべきだが・・・・?標識に従って右へ行くことにする。またトンネルだ。暗いところはあまり好きではないが仕方がない。「・・・・・・・トンネルを抜けるとそこは飯浦港だった。」  アレーッ!?もう一度トンネルを抜けて今津を目指す。しかしまたまた道に迷い、やっとの事で湖岸へ戻った。こんなことなら地図を見直してくるんだった。道は覚えているつもりが覚えていなかった 


今は時季はずれだが、桜の咲く頃は海津は桜並木で有名だ。7〜8キロくらいの並木道。と知ったかぶりに書いているが、実は見たことがない。道が狭いので大変な交通渋滞になるそうで、なかなかこれない。その道の脇に彼岸花が咲いていた。 竹生島とボートを背景に写真を撮ったが、ファインダーを覗けないので傾いてしまった。こちら(湖西)は湖東よりも車が多くなって走りにくくなる。それに今日(今日かな)向かい風が強い。一生懸命に先を急がないと明るい間に回りきれなくなりそうだ。


 高島町 湖中の鳥井と白髭神社
 
堅田(最初から3枚目の写真、観覧車の辺り)まで戻ってくると、信号の道路反対側に道の駅の食事時に出会った二人連れがい る。向こうも気づいて大きく手を振っている。私はって?、気恥ずかしいので皇室風に奥ゆかしく、チョコチョコっと手を振る。 暗くならない中に車に戻りたくてラストスパートをかけたが、矢橋帰帆島で車が見つからなくてウロウロ。 「今日もよく道をまちがえたなあ、これなら不眠でスーパーロングをやれば間違えない方が不思議」車を出す頃はライトの点灯が必要でした。 走行距離180キロ、約8時間の走行。少しは走り溜めができたような気がした。 
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